オウンドメディアが失敗する原因とは|撤退前に見直したい5つの視点

戦略について話し合う会社チームの様子

オウンドメディアを立ち上げたものの、思うようにアクセスが伸びない、問い合わせにつながらない、といった悩みを抱える中小企業は少なくありません。担当者を置いて記事を更新し続けているのに成果が見えず、このまま続けるべきか撤退すべきか判断がつかないまま時間だけが過ぎているケースもあるでしょう。本記事では、オウンドメディアが失敗に至る典型的な原因を、目的設計・コンテンツ・体制・撤退判断という4つの観点から整理し、判断を誤らないための見直しポイントを解説します。

この記事のポイント
  • オウンドメディアの失敗は「流入が伸びない」「CVにつながらない」「継続できない」の3タイプに大別できる
  • 原因の多くは目的・KPI設計、コンテンツの質、社内体制のいずれか、あるいは複数の重なりに集中している
  • 焦って撤退するのも、成果の出ないまま惰性で続けるのもリスク。判断基準を先に決めてから見直すことが重要
目次

オウンドメディアの「失敗」は3つのタイプに分けられる

一口に失敗といっても、実際に起きている症状はいくつかのタイプに分かれます。まず、記事を書いても検索結果で上位表示されず、そもそも流入が増えないタイプ。次に、アクセスはそれなりにあるのにお問い合わせや資料請求、商談化といったコンバージョンにつながらないタイプ。そして、担当者の異動や退職、社内の理解不足によって更新自体が止まり、継続できなくなるタイプです。

この3つは原因も対策もそれぞれ異なります。流入が伸びないなら検索意図やキーワード選定、CVにつながらないなら記事内の導線やオファー内容、継続できないなら体制づくりに問題がある可能性が高いというように、自社の状況がどのタイプに近いのかを最初に切り分けておくと、以降の原因分析と対策の方向性を絞り込みやすくなります。

複数のタイプが同時に起きているケースも珍しくありません。たとえば流入は少しずつ増えているのに問い合わせに結びつかない場合、キーワード選定自体は間違っていないものの、記事の内容が比較検討段階の読者に必要な情報を提供できていない、あるいは問い合わせフォームへの導線が分かりにくいといった別の原因が重なっていることがあります。1つの症状だけを見て対策を決めるのではなく、まずは自社のオウンドメディアがどの組み合わせに当てはまるのかを丁寧に洗い出すことが出発点になります。

成果の出ない分析データを前に悩む担当者

原因1|目的とKPIがあいまいなまま始めている

オウンドメディアを始める際に「誰に、何を伝えて、どんな行動を取ってもらいたいのか」が定まっていないと、コンテンツの方向性が更新のたびにぶれてしまいます。ターゲットとなる読者像を具体的に描けていない、あるいはKPIをページビューやセッション数といった中間指標だけに置いてしまい、問い合わせ数や商談数といった事業成果に直結する指標と紐づいていないケースもよく見られます。

特に社内で複数の部署がオウンドメディアに関わる場合、担当者ごとに「何をもって成功とするか」の認識がずれていると、途中で優先順位の対立が起きやすくなります。マーケティング部門はページビューの伸びを評価したいのに対し、営業部門は問い合わせや商談の数でしか評価しない、といったずれが生じると、どちらの立場からも「成果が出ていない」と見なされてしまい、施策そのものへの信頼が失われていきます。

立ち上げ前に、事業のゴールから逆算して「何を達成できたら成功と言えるのか」を言語化し、関係者間で共有しておくことが、後の判断のぶれを防ぐ土台になります。あわせて、想定する読者がどんな課題を抱え、どの段階で自社に問い合わせをしたくなるのかをできるだけ具体的に描いておくと、以降のキーワード選定や記事構成の判断にも一貫性が生まれます。

原因2|コンテンツの質と検索意図への対応が不足している

記事数を増やすこと自体が目的化し、読者が実際に知りたい内容と記事の中身がずれてしまう失敗も少なくありません。よくある症状として、次のようなものが挙げられます。

  • 検索ボリュームだけを見てキーワードを選び、読者の検討段階とずれた内容になっている
  • 自社に一次情報がないまま、一般論のまとめだけで記事を構成している
  • 更新頻度が徐々に落ち、サイト全体としての情報の鮮度が失われている

生成AIを使えば文章量は簡単に増やせますが、独自の視点や一次情報を伴わない量産コンテンツは、検索エンジンからも読者からも評価されにくいのが実情です。Googleも、AIの活用そのものではなく、内容の薄いコンテンツを大量生産する行為を問題視すると検索セントラルのブログで明言しています。効率化のためにAIを使うこと自体は否定されていませんが、最終的な品質チェックや一次情報の補完は人の手で行う必要があります。

記事コンテンツを執筆するオフィスの担当者

原因3|運用体制が属人化し、社内の協力も得られない

更新作業が特定の担当者一人に依存していると、その人が異動や退職をした途端に更新が止まってしまいます。オウンドメディアは成果が出るまでに一定の期間を要する施策であるため、経営層や他部署の理解が得られないまま担当者だけが孤立して運用していると、予算や工数が確保できず尻すぼみになりがちです。

また、営業部門と連携できておらず、記事経由の問い合わせが実際に商談や受注につながっているかを追えていないケースも多く見られます。せっかく良質な記事から問い合わせが生まれていても、その後の商談化率や受注実績がマーケティング部門にフィードバックされなければ、どの記事や施策が事業に貢献しているのかを判断できず、次の企画にも活かせません。

マーケティング部門だけで完結させず、制作・分析・改善を回せる最低限の体制と、成果を営業部門とも共有する仕組みを社内に用意しておくことが欠かせません。担当者が一人しかいない場合は、外部のライターや制作会社と役割分担し、企画や品質チェックなど社内でなければ判断できない部分に担当者の時間を割けるようにしておくと、属人化のリスクを下げられます。

原因4|撤退パターンの類型と、判断を誤らないための基準

意外と見落とされがちなのが、撤退や見直しの判断そのものの誤りです。失敗するオウンドメディアの撤退判断には、次のような典型パターンがあります。

  • 始めて間もない段階で成果が出ないと判断し、検索エンジンからの評価が育つ前に取り組みをやめてしまう「早すぎる撤退」
  • 成果が出ていないと分かっていながら目標も見直さず、更新だけを漫然と続けてしまう「ずるずる継続」
  • 成果が出ない焦りから、当初のターゲットや方針を頻繁に変え、コンテンツ全体に一貫性がなくなる「軸のぶれた方向転換」

どのパターンにも共通するのは、事前に「何を確認して継続や見直しを判断するか」という基準を決めていないという根本原因です。検索順位や流入数の推移、問い合わせ・商談への貢献度といった指標を定期的に確認するタイミングをあらかじめ決めておき、そのタイミングでのみ継続・改善・撤退を判断する運用にすることで、感覚的な判断による失敗を避けやすくなります。

継続や見直しの判断を話し合う会議の様子

まとめ|原因を切り分けてから、続けるか見直すかを判断する

オウンドメディアの失敗は、目的・KPI設計、コンテンツの質、運用体制、撤退判断のいずれか、あるいは複数が重なって起こります。感覚的に「うまくいっていない」と捉えるのではなく、自社の状況がどのタイプの失敗に近いのかを切り分けることが、次の一手を決める第一歩です。

原因の切り分けや目的の再設計、AIを活用したコンテンツ制作の体制づくりなど、自社だけで進めるのが難しいと感じた際は、オモイカネのAI導入支援・マーケティング支援もお気軽にご相談ください。

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