「記事の下に著者名を入れただけ」「監修者は付けたが詳しいプロフィールは書いていない」。こうした状態のまま運用しているオウンドメディアは少なくありません。著者情報の重要性は聞いたことがあっても、何をどこまで書けばよいのか、構造化データまで対応すべきなのかは判断に迷うところです。
本記事では、著者情報がSEOでなぜ話題になるのかという背景整理から、実際に盛り込むべき項目、記述方法、構造化データ実装時の注意点までを具体的に解説します。
- 著者情報はGoogleの検索順位を決める直接的な要因ではなく、E-E-A-Tを通じた間接的な評価材料
- 盛り込むべきは氏名・経歴・専門分野・所属・連絡先の5項目が基本
- 記述方法はバイライン・プロフィールページ・構造化データの3点セットで考える
著者情報がSEOで話題になる理由
著者情報がSEOの文脈で語られるようになった背景には、Googleが検索品質評価ガイドラインで重視するE-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)の考え方があります。Googleは「役立つ、信頼できる、人を第一に考えたコンテンツの作成」というドキュメントの中で、コンテンツを誰が作成したかを明確に示すこと、たとえばバイラインなどの正確な著者情報を通じてそれを伝えることを、コンテンツ作成時に自問すべき観点として挙げています。E-E-A-Tの4要素のうち土台となるのはTrust(信頼)で、経験・専門性・権威性はいずれも信頼を裏づけるための材料という位置づけです。著者情報は、読者に対して「誰がこの経験・専門性を持って書いているのか」を示す、Trustを支える具体的な手段の一つといえます。
ここで注意したいのは、著者情報を載せたからといって順位が直接上がるわけではないという点です。E-E-A-Tはランキングアルゴリズムに直接組み込まれた採点項目ではなく、Googleが目指す「信頼できるコンテンツ」の方向性を示す枠組みです。著者情報はその信頼性を読者とGoogleの双方に伝えるための手段の一つ、と位置づけるのが実務上は正確です。特に健康・お金・法律など読者の生活に大きく影響しうるテーマ(いわゆるYMYL領域)を扱うサイトほど、誰が書いているかが厳しく見られる傾向にあるため、優先度を上げて整備する価値があります。
著者情報に盛り込むべき5つの項目

著者情報のページや欄には、次の5項目を最低限盛り込みます。項目を羅列するだけでなく、その分野でなぜ語る資格があるのかが読者に伝わる書き方を意識します。
- 氏名:本名または継続して使用している筆名。途中で表記が変わると同一人物と認識されにくくなる
- 経歴・実績:その分野での職歴、担当してきた業務、実績の概要
- 専門分野:記事のテーマとの関連が具体的にわかる専門領域
- 所属・肩書:現在の会社名、部署、役職
- 連絡先・SNSリンク:問い合わせ先や、外部で活動を確認できるSNS・登壇歴などのリンク
資格や受賞歴がある場合は明記します。ただし確認できない実績や誇張した肩書は書かないことが大前提です。読者が検索すれば経歴の裏取りができる状態にしておくことが、結果的に信頼性を高めます。
複数のライターや監修者が関わるメディアでは、著者ごとにこの5項目を統一フォーマットで整備しておくと、記事ごとの情報量のばらつきを防げます。新規メンバーが加わった際のオンボーディングにも使えるよう、社内でプロフィール記入用のテンプレートを用意しておくと運用がぶれません。
著者情報の3つの記述方法
著者情報は、次の3つを組み合わせて実装するのが基本パターンです。
バイライン(記事内の著者表示)
記事タイトルの下や本文末尾に「執筆者:氏名」の形で表示する方法です。読者が最初に目にする著者情報であり、省略せずに全記事へ設置します。監修者がいる場合は「執筆」と「監修」を分けて明記し、それぞれがどこまで内容に関与したのかを読者に誤解なく伝えます。
著者プロフィールページ
サイト内に著者ごとの専用ページを設け、経歴・専門分野・執筆記事一覧をまとめます。バイラインの氏名からこのページへリンクさせることで、著者の実在性と専門性を読者が確認できるようにします。会社紹介ページや採用ページと同様に、著者プロフィールページも定期的な更新対象として運用ルールに組み込んでおくと、情報の陳腐化を防げます。
構造化データによるマークアップ
記事ページにArticleの構造化データを実装し、authorプロパティで著者情報をマシンリーダブルな形式でも示します。目視での表示に加えて構造化データを併用することで、検索エンジン側が著者情報をより正確に認識しやすくなります。表示用のバイラインとマークアップの内容がずれていると、かえって不整合な情報として扱われかねないため、両者は必ず同じ情報源から生成する運用にします。
構造化データ実装で注意すべきポイント

Googleの構造化データガイドラインでは、Article構造化データにおける著者マークアップのベストプラクティスとして次のような点が示されています。
- author.nameプロパティには著者の名前のみを記載し、肩書や所属を混在させない
- 可能であれば著者プロフィールページへのurlプロパティを付与し、著者を一意に特定できるようにする
- 複数人で執筆・監修した記事は、すべての著者をマークアップに含める
- @typeにはPerson(個人)かOrganization(組織)を実態に合わせて正しく指定する
詳細な記述例はGoogle検索セントラルのArticle構造化データガイドラインで公開されています。実装後はGoogleが提供するテストツールで、意図した通りに読み取られているかを必ず確認します。
中小企業のサイトで起こりがちな失敗パターン

著者情報の運用でよく見られる失敗には、次のようなものがあります。
記事ごとに著者名の表記ゆれがあり、同一人物だと検索エンジンにも読者にも認識されにくい。プロフィールページを作ったきり、退職者や異動者の情報が更新されず放置されている。監修者名だけ載せて、監修者が実際にどこまで内容を確認したかが不明瞭になっている。
こうした状態は、著者情報を「一度設置して終わりの飾り」として扱ってしまうことが原因です。担当者の異動や退職があった際にプロフィールを更新するルールを決めておく、監修範囲を記事内に明記するなど、運用面の設計まで含めて著者情報を整備することが重要です。
もう一つ見落とされがちなのが、著者名の外部での見え方です。著者のプロフィールページだけでなく、業界団体のメンバー紹介や登壇実績、SNSでの発信など、サイト外での言及と一致した名前・肩書で活動しているかどうかも、著者の実在性を裏づける材料になります。社内で著者情報を整備する際は、サイト内の表記と外部での表記にずれがないかも合わせて確認しておくと安心です。
まとめ
著者情報は、SEOの順位を直接押し上げる魔法の設定ではありません。しかし、氏名・経歴・専門分野・所属・連絡先という5項目を過不足なく整え、バイライン・プロフィールページ・構造化データの3点セットで発信することは、E-E-A-Tを通じてコンテンツの信頼性を裏づける地道な取り組みです。特に情報の正確性が問われるテーマを扱うサイトほど、優先して整備しておきたい要素といえます。
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