「スパムアップデート」という言葉をニュースやSEO関連の記事で見かけ、自社サイトも対象になるのではと不安を感じている経営者やマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか。スパムアップデートは、健全にサイトを運営している企業にとっては過度に恐れる必要のないものです。一方で、知らないうちにスパムポリシーに触れる運営をしてしまっているケースもあります。
本記事では、Google公式の情報をもとに、スパムアップデートの仕組み、コアアップデートとの違い、対象になりやすいサイトの特徴、そして順位が下がった場合に取るべき正しい対処法を解説します。
- スパムアップデートは、Googleのスパム検出システムの精度を高めるための更新である
- 対象となるのは「隠しテキストやクローキング」「大量生産された低品質コンテンツ」「他サイトの評判の悪用」「不正に入手した期限切れドメインの再利用」などスパムポリシーに違反する行為である
- 順位が下がった場合は、下落したページだけを個別に直すのではなく、サイト全体の「小さな問題」の総量を減らす視点で対処する
スパムアップデートとは何か
スパムアップデートとは、Googleが検索結果からスパムを検出・排除する自動システムの精度を改善するために実施するアップデートです。Google検索セントラルの公式ドキュメントでは、このアップデートの後、Googleのスパムポリシーに違反しているウェブサイトについて、検索結果での順位が下がる、または表示されなくなる場合があると説明されています。
スパムアップデートは年に数回実施され、開始と完了はGoogleから公式に告知されます。ロールアウト(展開)には一定の期間がかかり、その間は順位が上下に動くことがあります。普段からスパムポリシーに違反しない運営をしているサイトであれば、このアップデート自体を特別に意識する必要はありません。

コアアップデートとの違い
コアアップデートとスパムアップデートは、どちらもGoogleが実施する大規模な更新ですが、目的が異なります。コアアップデートは、どのページがユーザーにとって有用かを判定する評価基準全体を見直すものです。特定のページへの罰ではなく、コンテンツ評価の全体的な再調整にあたります。
一方、スパムアップデートは、Googleが定めるスパムポリシーに明確に違反する行為を検出する仕組みの更新です。コアアップデートは「質の評価の精度」を上げるもの、スパムアップデートは「違反行為の検出」の精度を上げるものと捉えると整理しやすくなります。順位が下がった際にどちらの影響かを見分けることは、原因の切り分けと対処の方向性を決めるうえで重要です。
対象になりやすいサイトの特徴
Googleのスパムポリシーでは、順位の低下や検索結果からの除外につながる行為がいくつか定義されています。公式ドキュメントで明示されている代表的なものは次のとおりです。
- クローキング: 検索エンジンに見せるページの内容と、実際にユーザーに見せる内容を意図的に異ならせる行為
- スケールコンテンツの不正使用(scaled content abuse): 検索順位の操作を主目的として、ユーザーの役に立たない大量のページを作成する行為。生成AIを使っているか人力で作っているかに関わらず、量産そのものが目的化している場合に該当します
- サイトの評判の不正使用(site reputation abuse): 第三者が作成したコンテンツを、自社の管理や監督がほとんど及ばない状態で自社サイト上に公開し、そのサイトの評価の高さを利用して検索順位を上げようとする行為
- 期限切れドメインの不正使用(expired domain abuse): 過去に評価が高かった期限切れドメインを買い取り、元のコンテンツとは無関係な内容で検索順位を操作しようとする行為
このほかにも、不自然なリンクの売買や交換といったリンクスパムも、スパムポリシーが対象とする代表的な行為です。共通しているのは「ユーザーの利益」ではなく「検索順位の操作」を主目的としている点です。自社で記事を書いている、外部ライターに発注している、といった運営方法自体が問題になるわけではなく、その結果として生まれるコンテンツがユーザーの役に立っているかどうかが判断基準になります。

順位が下がったときの確認と対処の手順
スパムアップデートの後に順位が下がった場合、最初にやるべきことは「下落したページだけを個別に直す」ことではありません。多くのサイトでは、下落したページそのものに大きな問題があるのではなく、サイト全体に小さな問題が積み重なっていて、その総量が評価の引き下げにつながっています。個別ページの修正だけでは、サイト全体の評価は変わらないことがあります。
実務的な確認の順序は次のとおりです。
- 手動による対策を受けていないか確認する: Search Consoleの「セキュリティと手動対策」レポートで、Googleからの明確な警告が届いていないかを確認します
- 下落の範囲を特定する: 特定ページだけの下落か、サイト全体に及ぶ下落かを見ます。サイト全体に及ぶ場合は、個別ページの修正よりもサイト全体の運営方針の見直しが必要になるケースが多くなります
- 該当するスパムポリシーを洗い出す: 前章で挙げた項目に照らして、自社サイトや過去に発注した外部コンテンツに該当する部分がないかを棚卸しします
- 該当箇所を減らす、または改善する: 問題のあるページを修正・削除・統合し、サイト全体に占める「小さな悪」の割合を下げます
- 再評価には時間がかかると理解する: 改善してすぐに順位が戻るわけではなく、次のアップデートや再評価のタイミングで反映されることがあります。短期間での回復を前提にした大改修は避け、落ち着いて改善を続けます
日頃からできる予防策
スパムアップデートそのものを恐れるのではなく、日頃の運営でスパムポリシーに触れない体制を作ることが本質的な対策です。具体的には、コンテンツの企画・制作を外部に委託する場合でも、最終的な公開判断や品質チェックを自社側で行う体制を保つこと、記事を量産する際にも一本一本がユーザーの疑問に答えているかを確認すること、使われなくなったドメインを安易に転用しないことなどが挙げられます。
こうした運営姿勢は、スパムアップデートだけでなくコアアップデートへの耐性にもつながります。結局のところ、Googleが両方のアップデートで一貫して評価しているのは「ユーザーの役に立っているか」という一点です。
まとめ
スパムアップデートは、Googleのスパムポリシーに違反する行為を検出する仕組みの更新であり、コアアップデートとは目的が異なります。対象になりやすいのは、クローキングや大量生産コンテンツ、サイトの評判の不正使用、期限切れドメインの不正使用など、ユーザーの利益ではなく検索順位の操作を主目的とした行為です。順位が下がった場合は、下落ページの個別修正にとどまらず、サイト全体の小さな問題を洗い出して減らす視点が欠かせません。
自社サイトがスパムポリシーに該当する運営になっていないか、順位下落の原因を自社だけで切り分けるのが難しいと感じる場合は、オモイカネのAI導入支援・マーケティング支援にお気軽にご相談ください。

