AI Overviewが表示されない理由|出やすい検索の傾向と対策

スマートフォンで検索して首をかしげる人物

「このキーワードではAI Overview(AIによる概要)が出ているのに、自社が狙っているキーワードでは全く表示されない」。SEO担当者からよく聞かれる疑問です。実はAI Overviewは、すべての検索結果に表示されるわけではありません。表示されるかどうかは、ページの評価だけでなく、検索そのものの種類によって大きく左右されます。この記事では、AI Overviewが表示されやすい検索・されにくい検索の傾向と、自社の状況を確認する方法を解説します。

この記事のポイント
  • AI Overviewは全体の検索の一部にしか表示されず、まず検索クエリの種類によって表示の有無が決まる
  • 質問形式・情報収集型のクエリで表示されやすく、ナビゲーショナル検索やショッピング系クエリでは表示されにくい
  • 表示されないこと自体は必ずしも対策不足のサインではなく、対象クエリで実際に表示されているかを確認することが先決
目次

AI Overviewは「表示される検索」の方が少ない

AI Overviewが表示されないとき、原因には大きく2つのケースがあります。1つは、そのキーワードで検索してもそもそもAI Overview自体が出ていないケース。もう1つは、AI Overviewは表示されているが、その中に自社サイトが引用元として含まれていないケースです。両者は原因も対策も異なるため、まず自社が直面しているのはどちらなのかを切り分ける必要があります。この記事では、前者の「そもそも表示されるかどうか」に焦点を当てて解説します。

SEO分析ツールを提供するAhrefsが146万件のSERPを分析した調査によると、AI Overviewが表示される検索は全体の20.5%にとどまります(出典: Ahrefs)。つまり、多くの検索ではそもそもAI Overviewという要素自体が存在しません。狙っているキーワードでAI Overviewが表示されていないとしても、それ自体は珍しいことではなく、残り8割近くの検索と同じ状態にあるだけとも言えます。

ここで注意したいのは、「引用元として選ばれる条件」と「AI Overviewという枠自体が出るかどうか」は別の問題だという点です。前者はコンテンツの構造や信頼性を整えることで近づける余地がありますが、後者は検索クエリの性質そのものに左右される部分が大きく、コンテンツの作り込みだけでは変えられません。自社が今どちらの壁に直面しているのかを見極めることが、対策の第一歩になります。

AI Overviewが表示されやすい検索の特徴

検索バーに質問を入力するパソコン画面

前述のAhrefsの調査では、質問形式のクエリではAI Overviewが57.9%の確率で表示される一方、質問形式でないクエリでは15.5%にとどまることが分かっています(出典: Ahrefs)。「〇〇とは」「〇〇 やり方」「なぜ〇〇なのか」といった、答えを知りたいという意図が明確なクエリほど、AI Overviewの対象になりやすい傾向があります。

Ahrefsが30万件のキーワードを分析した別の調査では、テーマ別の出現率にも差があることが示されています。科学(43.6%)、医療・健康(43.0%)、ペット・動物(36.8%)、人・社会(35.3%)といったテーマは出現率が高く、逆にショッピング(3.2%)、不動産(5.8%)、スポーツ(14.8%)、ニュース(15.1%)は低い水準にとどまります(出典: Ahrefs)。知識や仕組みを説明できるテーマではAI Overviewが出やすく、価格や在庫、速報性が重要なテーマでは出にくいという傾向が読み取れます。

AI Overviewが表示されにくい検索の特徴

逆にAI Overviewが表示されにくいのは、特定のサイトへ直接アクセスしたい「ナビゲーショナル検索」です。前述のAhrefsの調査では、ナビゲーショナル検索でAI Overviewが表示される割合はわずか0.09%と報告されています(出典: Ahrefs)。社名やサービス名そのものを検索するようなクエリでは、AIによる要約よりも該当サイトへのリンクが優先される、と理解しておくとよいでしょう。

また前段のテーマ別データが示すとおり、価格比較や在庫確認が主目的になりやすいショッピング系や不動産系のクエリも、AI Overviewが出にくいテーマです。自社の狙っているキーワードがこうした性質に当てはまる場合、AI Overviewに表示されないのは自然な結果であり、コンテンツを作り込めば必ず表示されるというものではありません。

トピックの領域は、YMYLかどうかより影響が大きい

検索データのレポートを分析するチーム

健康や金融など、人の安全や資産に関わる情報は「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼ばれ、Google検索全般で特に慎重な評価がされる領域とされています。AI Overviewの出現についても、YMYLに関わるテーマほど表示に慎重になっているのではないかという見方があります。

この点について、株式会社はちのす制作が2026年4月13日から15日にかけて日本語の2,609キーワードを対象に行った調査では、「YMYL属性」「トピックカテゴリ」「検索意図」「検索ボリューム階層」の4つの軸で出現傾向を分析した結果、AI Overviewの出現率を左右する要因としては、YMYLに該当するかどうか自体よりも、どのトピックカテゴリに属するかの影響の方が大きいと報告されています(出典: 株式会社はちのす制作)。健康や医療というテーマだから一律に表示されにくい、と単純に捉えるのではなく、テーマごとの傾向を個別に見ていく必要があります。

自社ページの状況を確認する方法

オフィスでノートパソコンの検索結果を確認するビジネスパーソン

AI Overviewの表示有無を確かめる最も確実な方法は、対象のキーワードで実際に検索してみることです。AI Overviewはタイミングや地域、検索履歴によって表示内容が変わることがあるため、一度確認しただけで「絶対に表示されない」と判断せず、複数回・複数のキーワードで確認するとより実態がつかめます。狙っているキーワードだけでなく、関連する疑問形のキーワードでも合わせて確認すると、どの表現なら表示されやすいかの手がかりになります。

Google公式のドキュメントでは、AI Overviewに関連して特別な準備は必要なく、どのリンクを要約に含めるかはGoogleのシステムが自動的に判断するとされています。前提として必要なのは、対象ページがインデックスに登録され、検索結果にスニペットとして表示できる状態になっていることです(出典: Google検索セントラル)。まずはこの基本条件を満たしているかをサーチコンソールで確認したうえで、狙っているキーワードの性質を踏まえて、AI Overviewへの期待値を調整することが大切です。

なお、狙っているキーワードでAI Overviewが表示されていることを確認できた場合は、次のステップとして「表示はされているのに自社サイトが引用されていない」という別の課題に移ります。この場合は、見出し直後に結論を書く、根拠や手順を箇条書き・比較表で整理する、著者情報や出典を明記するといった、記事の中身そのものを見直す対策が中心になります。表示自体の有無と、引用されるかどうかを分けて考えることで、次に何をすべきかが明確になります。

まとめ

AI Overviewが表示されないことに気づいたら、まずは「自社の対策不足」と決めつける前に、そのキーワードが質問形式か、情報収集型のテーマか、ナビゲーショナル的な性質を持っていないかを確認してみてください。質問形クエリや知識・仕組みを説明するテーマでは表示されやすく、社名検索やショッピング系のクエリでは元々表示されにくいという傾向があります。狙うべきキーワードを見極めたうえで、インデックス登録などの基本条件を満たしていく地道な取り組みが、結果的に近道になります。

自社のキーワードがAI検索でどう扱われやすいか整理したい、社内に判断できる知見がないという場合は、オモイカネのAI導入支援・マーケティング支援もお役に立てます。お気軽にご相談ください。

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