「ChatGPTで自社名や商品名について聞いてみても、回答にまったく出てこない」。AI検索の普及とともに、こうした声を耳にする機会が増えています。ChatGPTには通常の対話に加えてWeb上の情報を検索する「検索」機能が搭載されており、従来のGoogle検索とは異なる仕組みで回答に使う情報源を選んでいます。この記事では、ChatGPT検索の仕組みを整理したうえで、企業が取り組める具体的な対策と効果測定の方法を解説します。
- ChatGPTの検索機能は、Microsoft社のBingを検索エンジンとして採用した経緯があり、Bing側の対策が土台になる
- OpenAIはGPTBot・OAI-SearchBot・ChatGPT-Userという役割の異なる3種類のクローラーを公開しており、robots.txtで個別に制御できる
- 対策の効果はGA4の参照元レポートで「chatgpt.com」からのトラフィックとして確認できる
ChatGPT検索とは?通常の対話との違い

ChatGPTの検索機能は、ユーザーの質問に対してWeb上の最新情報を参照しながら、要約した回答を文章で返す仕組みです。従来のChatGPTが主に学習済みのデータをもとに回答していたのに対し、検索機能を使うと、その場でWeb上の情報を調べたうえで回答を組み立てます。回答の中には参照したページへのリンクが添えられることが多く、ユーザーは気になった箇所から出典ページを確認できます。
この仕組みは、Google検索が順位付けされた一覧を返すのとは異なり、複数の情報源から要点を抜き出して一つの回答文にまとめる点が特徴です。そのため、企業サイトが評価される基準も「検索順位」だけでなく「回答の材料として選ばれるかどうか」という観点に広がっています。
特に、社名や商品名、サービス内容を尋ねるような質問では、ユーザーはリンク一覧を見比べる前にChatGPTの回答だけで内容を把握してしまうことがあります。回答の中で自社が正しく紹介されるかどうかは、そのまま企業の第一印象や比較検討の土台に影響するため、Google検索のSEOと同じくらい意識しておく価値があるといえます。
ChatGPT検索の仕組み|Bingとの関係
ChatGPTの検索機能は、Microsoft社のBingを検索エンジンとして採用する形で提供が始まりました(出典: Forbes JAPAN)。KDDIが運営するメディアでも、ChatGPTのデフォルトの検索エンジンがBingになったことが報じられています(出典: MUGENLABO Magazine)。つまり、ChatGPTが回答を作る際に参照する情報の土台には、Bingが集めたWeb上のインデックスが関わっているということです。
このため、ChatGPT検索での見え方を意識するなら、Google向けのSEOだけでなく、Bing向けの基本的な対策も合わせて押さえておくことが土台になります。多くの企業サイトはGoogle Search Consoleの確認は習慣化していても、Bing側の管理画面まで手が回っていないケースが少なくありません。まずは自社サイトがBingにどう認識されているかを確認するところから始めるとよいでしょう。
ただし、こうした裏側の仕組みは今後も変化していく可能性があるため、特定の検索エンジンだけに依存せず、次に説明するクローラー対策と記事の書き方の両方に取り組むことが現実的な進め方です。
対策1:3種類のクローラーを理解しrobots.txtを整える

OpenAIは、用途の異なる3種類のクローラーを公式ドキュメントで公開しています。モデルの学習データ収集を目的とする「GPTBot」、ChatGPT検索の回答にサイトを表示させるための「OAI-SearchBot」、そしてユーザーの操作に応じてその場でページを取得する「ChatGPT-User」です。これらはrobots.txtでそれぞれ独立して許可・拒否を設定できる仕組みになっています(出典: OpenAI公式ドキュメント)。
つまり、自社のコンテンツをAIモデルの学習には使ってほしくないが、ChatGPT検索の回答には表示されたい、という要望がある場合は、GPTBotだけを拒否してOAI-SearchBotは許可する、という設定が可能です。自社サイトのrobots.txtを確認し、外部クローラーを一括で拒否する設定になっていないか、まずはチェックすることをおすすめします。設定を変更した後は、サーバーのアクセスログでOAI-SearchBotのアクセスが実際に記録されているかを確認すると、許可設定が正しく機能しているかを裏付けられます。
対策2:Bing Webmaster Toolsでインデックスを整える
ChatGPT検索の土台にBingのインデックスが関わっている以上、自社サイトがBingに正しくインデックスされているかを確認しておく価値があります。Microsoftが無料で提供している「Bing Webmaster Tools」にサイトを登録すると、サイトマップを送信してインデックスの状況を確認したり、クロールの状態を把握したりできます。Google Search Consoleは登録していてもBing Webmaster Toolsは未登録という企業サイトも多いため、まだの場合はこの機会に登録しておくとよいでしょう。
登録自体は無料で、Search Consoleと同様に所有権の確認とサイトマップの送信を行うだけで完了します。定期的にインデックスの状況を確認し、重要なページが正しく認識されているかをチェックする習慣をつけておくことが、ChatGPT検索での見え方にも間接的につながります。
対策3:AIに引用されやすい記事構成にする

クローラーやインデックスの対策と並行して、記事そのものの書き方を見直すことも欠かせません。ChatGPTの回答は、質問に対して端的に答えている箇所を抜き出す傾向があるため、見出しの直後に結論を一文でまとめる「結論ファースト」の書き方が有効です。専門用語には簡潔な説明を添え、手順や条件は箇条書きで整理すると、AIにとっても人にとっても内容を把握しやすくなります。
- 想定される質問をそのまま見出しにし、直後に簡潔な答えを書く(FAQ形式)
- 記事の著者や監修者、会社の実績など、誰が発信している情報かを明示する
- 業界の一般論だけでなく、自社の実務データや事例など他にはない一次情報を含める
特に一次情報は重要です。競合と同じような一般論をまとめただけの記事では、AIがどのサイトを参照しても回答の中身に大差がなくなってしまいます。自社でしか語れない情報を含めることが、引用先として選ばれる理由につながります。
まとめ
ChatGPTの検索機能はBingを土台として提供が始まった経緯があり、Google向けのSEOに加えてBingでのインデックス状況も意識しておくことが基本になります。そのうえで、OAI-SearchBotなどクローラーの許可設定を整え、結論ファーストで一次情報を含んだ記事を書くという地道な積み重ねが、AI検索時代における見え方を左右します。効果はGA4の参照元レポートで「chatgpt.com」からのアクセスを確認しながら、少しずつ検証していくとよいでしょう。
ここで紹介した対策はどれも一度やって終わりではなく、クローラーの動向やAI検索の仕組みの変化に合わせて見直しを続けていく必要があります。社内だけで継続的に対応するのが難しい場合は、優先順位をつけて段階的に取り組む方法もあります。
自社サイトがChatGPT検索でどう扱われているか把握したい、対策の優先順位を一緒に整理してほしいという場合は、オモイカネのAI導入支援・マーケティング支援もお役に立てます。お気軽にご相談ください。

