構造化データについて調べると、記事、パンくずリスト、FAQ、商品情報、レシピ、求人情報など、非常に多くの種類が出てきて戸惑った方も多いのではないでしょうか。一覧を眺めて「うちのサイトにはどれが必要なんだろう」「全部設定しないと評価が下がるのでは」と不安になり、手が止まってしまうケースもよく見られます。
結論から言うと、身構える必要はありません。実際には、すべてのページにすべての種類を入れるのではなく、自社サイトのコンテンツに合った種類だけを選んで実装するのが正しい進め方です。本記事では、構造化データの種類を「共通で押さえるべきもの」と「業種・コンテンツによって重要になるもの」に分けて整理し、自社に必要な種類の見つけ方まで解説します。
- 構造化データは種類が多いが、全業種で共通して必要なのはごく一部
- ECサイト・店舗・採用ページなど、業種やページの目的によって優先すべき種類が異なる
- 自社にどの種類が該当するかはGoogle公式のドキュメントで確認できる
構造化データの種類はなぜこんなに多いのか
構造化データは、schema.orgという共通の語彙を使って記述します。schema.orgは特定の業種向けに作られたものではなく、ニュース記事からレシピ、求人情報、ソフトウェア、映画まで、Web上のあらゆるコンテンツを対象に設計された語彙です。そのため種類が多く、一覧を見ただけでは自社にどれが必要なのか判断しづらいのです。
しかし、1つのサイトが扱うコンテンツの種類は限られています。ブログ記事しか公開していないサイトに求人情報やレシピの構造化データは不要ですし、逆にECサイトであれば商品ページの構造化データを後回しにする理由はありません。まずは「自社サイトにどんなページがあるか」を洗い出すことが、種類選びの出発点になります。
また、構造化データの記述形式にはJSON-LD、Microdata、RDFaの3種類がありますが、現在はJSON-LDが主流です。HTMLの本文とは独立したコードのかたまりとして扱えるため、既存のHTML構造に手を入れずに追加・修正でき、非エンジニアが管理する場合も扱いやすい形式です。以下で紹介する種類も、実務ではJSON-LD形式で実装するのが一般的です。
ほぼすべてのサイトに共通する基本の構造化データ

業種を問わず、多くのサイトで優先度が高いのは次の3種類です。
- Organization(組織情報): 会社名・ロゴ・所在地・公式サイトURLなど、サイト運営者の基本情報を伝えます。サイト全体の「名乗り」にあたる項目です
- BreadcrumbList(パンくずリスト): サイト内の階層構造を伝えます。検索結果のURL表示にも影響する、比較的導入しやすい項目です
- Article / BlogPosting(記事情報): ブログやコラム記事に、見出し・著者・公開日・更新日を付与します。コンテンツの信頼性を伝える役割があります
この3種類は、WordPressの主要なSEO対応テーマや定番のSEOプラグインであれば、標準機能や設定でカバーできることが多い項目です。まずは自社サイトで既に出力されているかを確認するところから始めるとよいでしょう。逆に、テーマやプラグインを使わず独自にHTMLを組んでいるサイトでは、この3種類が抜け落ちていることも珍しくないため、優先的にチェックしたいポイントです。
業種・コンテンツによって重要になる構造化データ

基本の3種類に加えて、自社の事業内容に合わせて優先度を上げるべき種類があります。
- Product・Review・AggregateRating(商品・レビュー): ECサイトの商品ページ向け。価格や在庫、評価を検索結果に反映できます
- LocalBusiness(地域ビジネス): 店舗や地域密着型のビジネス向け。住所・営業時間・電話番号などを伝えます
- JobPosting(求人情報): 採用ページ向け。Googleの求人検索機能への掲載につながります
- FAQPage(よくある質問): サービスページや製品ページのFAQセクション向けです
- HowTo(手順解説): 作業手順を段階的に説明するノウハウ記事向けです
- Event(イベント情報): セミナーや展示会など、日時が決まっているイベントページ向けです
- Recipe(レシピ)・VideoObject(動画): 該当するコンテンツを扱う場合に検討します
これらはすべてのサイトに必要なものではありません。自社が扱っていないコンテンツ種類の構造化データを無理に入れる必要はなく、むしろ実態と合わない情報を記述すると、Googleのガイドライン違反として扱われるリスクがあります。たとえばサービス業のサイトに実在しないレシピや商品在庫の情報を構造化データとして書き加えるようなことは避けるべきです。あくまで「自社のページに実際に存在する情報」を、対応する種類でマークアップするのが基本です。
逆に、ECサイトが商品ページのProduct・Reviewを後回しにしたり、採用に力を入れている企業がJobPostingを設定していなかったりすると、リッチリザルトによる差別化の機会を逃すことになります。自社の主力コンテンツに対応する種類は、基本の3種類と同じくらいの優先度で検討する価値があります。
自社に必要な種類の見つけ方

種類選びで迷ったときは、次の手順で絞り込むと判断しやすくなります。
- 自社サイトにあるページの種類を書き出す(会社情報、ブログ記事、商品ページ、採用ページなど)
- Googleが公開している検索がサポートする構造化データ マークアップの一覧で、書き出したページに対応する種類を探す
- 該当する種類のうち、検索結果での見え方(リッチリザルト)を改善したいものから優先的に実装する
この一覧は随時更新されるため、対応形式を都度確認できる公式情報源として活用できます。「うちのサイトには関係なさそうな種類」を無理に探す必要はなく、洗い出したページと照らし合わせるだけで十分です。
迷ったときのもう一つの手がかりは、同業他社や競合サイトの検索結果の見え方を観察することです。検索結果に星評価やパンくずリスト、FAQの折りたたみ表示などが出ている競合がいれば、自社と同じ種類のページで構造化データが効果を発揮している証拠になります。自社に足りていない種類を見つける手がかりとして活用できます。
導入時に気をつけたいこと
構造化データを設定する際は、次の2点に注意が必要です。
- ページの内容と一致させる: 実際には表示されていない情報や、古い情報を構造化データにだけ残すことは避けます
- 表示は保証されない: 正しく実装しても、リッチリザルトとして表示されるかどうかはGoogle側の判断によります。入れたのに表示されないケースは珍しくありません
実装後はリッチリザルトテストでエラーがないかを確認する習慣をつけておくと、記述ミスに早く気づけます。
まとめ: 種類の多さに惑わされず、自社のページから逆算する
構造化データの種類は数多くありますが、重要なのは一覧をすべて覚えることではなく、自社サイトのページ内容に合った種類を選んで優先的に実装することです。まずは組織情報・パンくずリスト・記事情報の基本3種類を確認し、そのうえで自社の業種やコンテンツに応じた種類を検討する流れが現実的です。
株式会社オモイカネでは、構造化データの設計を含むマーケティング支援を行っています。自社サイトにどの種類が必要か整理したい方は、お気軽にご相談ください。

